私は、外資系やスタートアップのIT企業を経て、今年からスモールビジネスを立ち上げたわけですが、自分はやはり日本社会のoutlier(マイノリティ、普通じゃない人)だなあ、というのをつくづく感じております。

  • コロナ禍でリモートワーク中心になっているはずなのに、なぜこんなにスーツを着ている人が街中に?。
  • このミーティングになんで多勢の人が?(あんまりしゃべる人いないし)。
  • なぜこの人がこのポジションに!?(忖度以外にできることあるのだろうか)
  • 転職を複数回してるのってそんなに変?(確かに、私は転職多いけど)。
  • 「パスワードは別メールにてお送りします」(この文化まだあったのか。。)
  • 「申し訳ありません、弊社は契約書の電子サインに対応しておらず、、」(謝んなくていいから対応してない理由を教えてくれ。というか、紙もインクも手間も勿体ないから、早く対応してくれ。)

のように、例を挙げ出すとキリが無い状況です。過去の同僚や一緒に仕事してきた人は似た感覚を持ってる(と、信じてるw)ので、これまで、まじまじと実感することが少なかったのですが、日本社会の仕事観やワークスタイルは、私が社会人になった2008年頃からあまり変わっていないようで、非常に残念に感じております。

そこで、上記イライラのストレス発散以外の何物でも無いのですが、この社会の何がズレていると感じているのか、私個人の意見を列挙させて頂きます。

創る人間・回る人間

今の日本は成熟社会で価値観は多様化し、そこにデジタル化の波が来ています。ある投資家が「1000年に一度の変化だ」と興奮気味に言ってましたが、経済成長社会から成熟社会へ、実物経済からデジタル経済へという変化は、これまでの仕事の常識を刷新するほど大きなものです。

その変化の中で、多くの人が見落としてるなと私が思うことの1つが、働く人がより明確に「創る」人間と「回る」人間に分かれるということです。一時期、AIが人の仕事を奪う、とか記事になったりしてましたが、これからは、顧客や人のためにクリエイティブなものや仕組みを創れる人、と他人が創った仕組みの上で回る人、により明確に分かれていくと思います。そして、後者はコンピューターにより仕事を奪われていくことになります。将棋のようにルールが決まってたり、仕組みが出来上がったものの中では、人間はAIに勝てないので。

というわけで、創造する側に回れない人はピンチなんですが、この国の教育大丈夫でしょうか?言われた通りにするとか、決まった答えが出せるとか、創造力を養うのと逆ですよね。

労働のインプットは時間から集中力へ

戦略・事業・仕組みを考える、デザインを作る、プログラムや文章を書く、など、何かを創るには時間も当然必要ですが、それ以上に仕事の深さ(集中力)が重要になります。これからは(というか、結構前から)、仕事のアウトプットが労働時間に比例しない時代です。

今日も朝9時の定時から午後6時の終業まで頑張ったな、とか、それ自体には特に意味はありません。1日中働いて何が出来たのか、が全てのはずです。会社としても、社員が何時から何時まで働いたかを管理するよりも、仕事に集中して良いアウトプットを出せるように労働環境や制度を整理すべきです。そう考えると、コロナが流行っているから在宅勤務を可能にする、のではなく、より仕事に集中するために週○日は在宅勤務の方が良い、というような発想になります。(コロナ後に全員出社必須になるかどうかで、会社の考えの古さがわかりますね)

また、同じアウトプットであれば、朝9時から午後6時までかかる人よりも、午前だけで終わらせられる人の方が評価されるべきですが、そういう評価をしている日本企業は極めて少ない印象です。

マインドシフト

働いた時間に対してではなく、アウトプットに対してお金をもらうという感覚は、会社の傘の中で生きてきた人からすると、最初は恐く感じることかもしれません。しかし、スーツを着て出社し会社の言われた通りにしたから給料を貰える、というしょうもないマインドセットはすぐに捨てた方が良いです。会社を経営する立場で考えれば当然のことですが、給料は、自分のした仕事の価値に対し支払われているのです。その仕事がいつどこで何を着てやったものかは、問題ではありません。(スーツ着て出社しないと出せない価値を否定しているわけではありません。)

一体、この社会で働いている人のどれほどが、会社や顧客のために出している価値(=自分が出来ること)を、自分の言葉で説明できるでしょうか。繰り返しになりますが、自らの仕事の価値を、会社などの他人が創った仕組みに依存する人は、いずれ仕事が無くなります。「お仕事は何をされているんですか?」の質問に、会社名しか答えられない人は危ないですね。

雇用制度の融解

仕事の価値に対してお金を貰うという感覚になると、週5日フルタイムで働くことが唯一の選択肢という状況ではなくなります。働く会社を1つに絞る必要はなく、自分のライフスタイルに合わせて働く先も複数選ぶということも選択肢に入ってきます。

実際、今は創業ブームで個人事業主や私のようなスモールビジネス創業者がどんどん増えています。こうなると、正社員を雇用したい会社は大変で、個人事業主として複数社と働く場合とのメリットの差を埋める必要があります。具体的には、副業許可やワークライフバランスの充実など。優秀な人材を雇いたいテクノロジー企業がこぞって豪華な福利厚生を用意しているのも、こういった背景があるからです。

Work is Life and Life is Work

また、1日・1週間・1ヶ月・1年単位でのアウトプットを意識して時間を使うようにもなります。「今日は午前は休んで午後から集中して一気にやろう」とか、「タイミング的に今週5日働いても出来ることが少なそうだから、4日にしておこう。その代わりに、来週の月〜水は早朝からやろう」という具合です。

すると、プライベートとの調整もしやすくなります。パズルを組み替えるように仕事とプライベートの予定を一元管理することで、両者が相乗効果を持つことも期待できるでしょう(ジェフベゾスがワークライフハーモニーとか言ってたっけか)。プライベートで本気でスポーツに取り組むも良し、大学などのパートタイムプログラムで自己研鑽に励むも良し、ジムに行って健康管理するも良し、小さい子供がいる家庭へのケアを手厚くするも良し。「仕事が忙しいから」という言い訳は、自ら無能と言っているようなものです。

以上、私個人が思う当然の仕事観です。人生を仕事に、仕事を人生に、両者を融合したワークスタイルが、人生100年時代のスタンダードなのではないかと思うのですが、そんなに変(outlier)ですかね。。

Posted by: Ryoichi Fujita(藤田亮一)